名前に「シカ」と入っているため鹿の仲間と勘違いされやすいのが「カモシカ」なのですが、実際にニホンカモシカと区別をすることができないという人も続出しており、困惑してしまうことばかりです。
そこで、「カモシカ」と「ニホンカモシカ」の違いについて詳しく説明をします。
「カモシカ」と「ニホンカモシカ」の違いとは?
どちらも見分けるのが難しいと言われている「カモシカ」と「ニホンカモシカ」ですが、実際にそれぞれの違いは一体何でしょうか。
「カモシカ」は北海道と中国地方を除いた本州・四国・九州の山地丘陵地帯に生息する日本の固有種で、学術的な貴重性が認められ、昭和9年に国の天然記念物に指定された事で注目されています。
昭和30年に特別天然記念物に昇格指定され、保護政策がとられてきたことで、近年は個体数が回復し分布域が拡がっているのですが、カモシカは偶蹄目ウシ科の動物で、ウシやヤギに近い種類なのです。
「ニホンカモシカ」は偶蹄目ウシ科カモシカ属に分類される偶蹄類であり、低山地から亜高山帯にかけてのブナ、ミズナラなどからなる落葉広葉樹林や混交林などに生息しています。
体長105 – 112センチメートル、尾長6 – 7センチメートル、肩高68 – 75センチメートル、体重30 – 45キログラム、全身の毛衣は白や灰色、灰褐色となっています。
「カモシカ」と「ニホンカモシカ」の見分け方は?
それぞれ全く違う生体であるという事が分かりましたが、実際に「カモシカ」と「ニホンカモシカ」を見かけた場合、それぞれの見分け方はあるのでしょうか。
「カモシカ」は角は枝分かれしておらず、毛は黒っぽく、角も黒っぽくなっています。
オスにもメスにも角がありますが、成長するにつれて角が生えてきて、生えた角はそのまま大きくなり、その後生え替わることはないのです。
「ニホンジカ」は角は枝分かれしており、毛は茶色っぽく、角は白っぽいです。
角は成熟したオスにしか生えておらず、角は毎年生え変わり、春先に角が落ちるのです。
また、角が生えるようになった最初の年だけは、枝分かれのない一本角となっており、歳を経るごとに枝分かれが増えていきます。
見つけたら近寄らないで!
どちらも大人しい性格であり、刺激をしなければ攻撃をしてくる事はないのですが、刺激をしてしまうと襲ってきたり、被害に遭ってしまう事があります。
そのため、見つけたとしても放っておく事が大切です。
また、万が一、子どものカモシカを見つけた場合は親とはぐれて「迷子」のように思えても、通常は近くに親がいて様子をうかがってい可能性があり、カモシカは一度人に捕獲されると、野生復帰が困難になってしまうのです。
そのため、カモシカを捕獲・飼育することは、特別の理由があって許可を受けた場合を除き、法律により制限されているため、むやみに手を出したらいけないのです。
まとめ
それぞれ「カモシカ」と「ニホンカモシカ」の違いについて説明をしましたが、全く違う生き物であり、生息地も大きく異なります。
見つけた際は決して刺激しないように注意が必要です。